あなたは大丈夫?相続トラブル回避策(2019年春号)

相続のトラブルは実は誰にでも起こりえることです。今回はその相続トラブルを防ぐための方法を考えてみましょう。

曖昧さが招く相続トラブル

2015年1月の相続税制改正以降、相続に関する関心が高まり、遺言書を作る人も増えていますが、大部分の相続は遺言書がないために、その後の遺産分割のトラブルにつながるケースも少なくないようです。
特に「主な遺産は自宅のみ。亡親と同居していた子と別居していた子が互いに権利を主張し、争族になった。」といった調停件数は、年間約1万件にも及びます。こういったトラブルは、一度でも相続の話を腹を割って話していれば、多くのケースでは防ぐことができたのかもしれません。やはり事前の家族間のコミュニケーションが大切なのではないでしょうか。 

夏がおすすめ!?

普段切り出しにくい相続の話も、年に一度、自然なかたちで相続のことを話す機会があります。それは、次のような理由から夏休みがいいといわれています。
(1)お盆やお墓参り、終戦記念日など家族が祖先や家族の歴史に触れることができるので、昔話などから相続について切り出しやすい。
(2)正月の帰省よりも、開放的な気分である。
(3)お盆休みは平日で役所や金融機関の営業日であり、曖昧なことはすぐに調べることができる。 

知っておくと便利な土地のおおよその評価額 

相続では、分けにくい不動産が問題になりやすいので、おおよその価格を知っておくと便利でしょう。 実際の土地の取引では、需要と供給のバランスによって価格が決定されますが、公示価格を参考値として交渉されるため、公示価格がわかるとおおよその価格の目安がつくことになります。

公示価格とは国土交通省が、毎年1月1日時点における標準地の1平方メートルあたりの価格を公示するものです。標準地の公示価格は国土交通省のサイト国土交通省地価公示・都道府県地価調査で確認することができます。
一方、相続税評価額は、上記の要素に様々な特例等も加味する必要があるので、税理士等の専門家に相談しましょう。

生命保険の活用 

主な財産は自宅のみだけといった争族となりやすいケースでは、生命保険はトラブルを防ぐ有効な手段といわれています。代償分割なども活用することで現金で相続財産を準備できるうえ、生命保険の非課税枠も使うことができるからです。

生命保険の活用などをもっと知りたい方は、FP個別相談に申し込んでみてはいかがでしょう。