2019年、金融庁が公表した報告書の中で、老後の生活を年金だけで賄うには2000万円の貯蓄が必要といった試算がなされていることがメディアを通じて公となり、社会的な議論を呼びました。いわゆる「老後2000万円問題」です。この数字はあくまで平均的なモデルケースに基づいたものですが、強い不安を感じた人もいたのではないでしょうか。
今回はその老後資金を貯めるためにどのような準備ができるのか、お話ししたいと思います。「備えあれば憂いなし」です!これからできることに目を向けてみませんか。
老後に必要な資金の目安
2024年の家計調査によると、65歳以上の無職世帯の家計収支は以下のとおりでした。
■夫婦二人の場合
平均252,818円の実収入に対し支出は286,877円で、毎月の不足額は34,059円になります。
これが30年間続くと仮定すると、約1,200万円の資金が必要です。
■単身の場合
平均134,116円の実収入に対し支出は161,933円で、毎月の不足額は27,817円になります。
30年間で約1,000万円の資金が必要です。
ただし必要な金額は、住居の形態(持ち家か賃貸か)、年金の受給額(職歴や加入年数による)、生活スタイル(支出の多寡)、健康状態(医療・介護費用の有無)などによっても変わります。また、老後は旅行や趣味、人付き合いなどを楽しみながら暮らしたいという希望がある場合、ゆとりのための資金も準備しておきたいですね。
老後資金の準備方法
1.ライフプランを立てる
まずは必要な資金を知ることが大切です。「いつまでに、どのくらい必要か」を明確にします。
ライフプランを立て、生活費、医療費、介護費、趣味・旅行などの支出を見積もりましょう。
2.退職金や企業年金の確認
退職金や企業年金でもらえる金額を確認しましょう。大きな支えになるかもしれません。
3.生活費の見直しと固定費の削減
支出を把握し、無駄を削減しましょう。
通信費、保険料、サブスクなどを見直すことで毎月数万円を節約できるかもしれません。
節約分は貯蓄や運用に回します。
4.資産運用
確定拠出年金やNISA、保険を活用した長期の運用を検討してみましょう。
老後資金づくりに活用できる保険には、個人年金保険や終身保険、(日本円のほかに)外貨建て保険などがあります。
5.その他
副業やパートで収入を増やす、当面の生活費に余裕がある場合は年金の繰り下げ受給で受給額をアップさせるという考え方もあります。
弊社のFP個別相談では、ご相談内容に基づいたライフプランの作成、キャッシュフロー分析を承ります。
また、ライフプランのシミュレーションによって明らかとなった課題点を整理し、その対策についてアドバイスさせていただきます。
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